診療案内

当科では脳神経外科外来(火曜日・午前と金曜日・午前)において「もの忘れ外来」を合わせて行っております。
脳神経内科(水曜日・午後)とともに連携して診療を行っていきます。
日程は病院ホームページの外来担当表を参照ください。

もの忘れ外来とは

わが国では、2019年に100歳以上の高齢者は8万人を超え急速に高齢化が進んでいます。それに伴い認知症の患者も増加しています。2012年に認知症患者数は約460万人でしたが、2025年には5人に1人、実に高齢者の20%が認知症になるという推計もあります。また、高齢者の4人に1人は認知症の一歩手前の状態である軽度認知障害(MCI)であるとも言われています。MCIの人は1年で10%ほど、5年で50%以上が認知症に移行すると言われています。しかし、適切な予防を行うと30%の人が健常者に戻るとも言われています。当院の「認知症ドック」ではこれらのリスクを検査することが出来ます(脳ドックの項目を参照)。

認知症とは記憶障害のほかに、失語・失行・失認・実行機能障害などの脳機能障害が1つ以上加わり、その結果、社会生活あるいは仕事上に明らかに支障をきたしている状態と定義されています。認知症で多いのは、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症などです。

認知症にならないためにも日常生活での予防が必要で、早期発見し対処することが重要です。当院では2024年6月から日本認知症学会指導医による「もの忘れ外来」を開設しています。専門スタッフによる検査や相談なども含め包括的に対応する専門外来です。

多くの方の受診をお待ちしています。

もの忘れ外来での診療内容

  • 当外来では物忘れが認知症レベルなのか、年齢的な正常範囲なのか、または認知症の一歩手前のMCI(軽度認知機能障害)なのかなどの診断を行います。診断時には診察のほかに認知機能検査(MMSE, HDS-R, MoCA-Jなど)やMRI/CT検査などを行います。
  • 検査結果により、専門医や言語聴覚士(ST)などから治療や生活上のアドバイス(指導を含む)や情報提供を行います。
  • 治療が必要な場合は内服薬・貼付薬などにより治療を開始します。
  • 生活支援やご家族への介護アドバイスなども併せて行います。当院メディカルソーシャルワーカーから手続きなどの情報提供も出来ます。
  • 治療や症状の経過を観察していきます。

認知症診断のためのMRI検査

認知機能低下を起こす脳の病気は色々あります。
脳梗塞や脳出血などの脳卒中や慢性硬膜下出血など頭部外傷によるもの、脳腫瘍や正常圧水頭症などです。
まずはこれらの病気の診断が重要で脳MRI検査を行います。当院では加えて脳動脈の異常を調べるMRAや脳血流を調べるASLを行っています。
また、同時にアルツハイマー型認知症の診断支援システムであるVSRAD(ブイエスラド)も行い、総合的に診断を行っています。
VSRADとは、アルツハイマー型認知症でみられる海馬(海馬傍回:かいばぼうかい)の萎縮の程度を確認することができる画像診断装置です。
萎縮の程度はスコアーで表示されます。

診療担当医表

更新日時:2024年11月15日

午前午後
鈴木 祥生(脳神経外科)【もの忘れ外来】
松下 ゆり(脳神経内科)【もの忘れ外来】
               
鈴木 祥生(脳神経外科)【もの忘れ外来】

青字:常勤医師

休診・代診情報

医師紹介

松下 ゆり

Matsusita Yuri

役職院長
専門分野脳神経内科
診療科内科
資格日本神経学会神経内科専門医・指導医
日本内科学会認定医・医学博士
日本内科学会総合内科専門医
経歴平成8年3月 奈良県立医科大学 卒

鈴木 祥生

Suzuki Sachio

役職脳神経外科部長
専門分野脳神経外科、認知症
診療科脳神経外科
資格日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本認知症学会専門医・指導医
経歴平成4年3月 国立山梨医科大学医学部 卒