当院では2022年4月より、片頭痛の新しい治療薬(2021年4月販売)を用いた治療を開始いたしました。新しい治療薬を使用できる方にはいくつかの条件がありますので、まずはお気軽に脳神経外科を受診していただきたいと思います。 この新しい治療薬は専門医しか処方できません。
専門医による専門的な診断や治療を受けることで片頭痛そのものの症状を緩和することが期待できますし、片頭痛ではない深刻な病気が潜んでいるケースに対しても適切に対応することができます。
片頭痛とは
血管周辺に異常が起きる発作性の頭痛です。激しい痛みと吐き気などを伴い、女性に多いことも特徴です。片頭痛の主な症状は以下の通りです。
- 痛みが拍動性(ズキン、ズキンと脈打つように痛む)である
- 持続時間が4〜72時間と比較的短い
- 頭痛が始まると、寝込んだりして生活に支障をきたす
- 吐き気がしたり、吐いたりする
- 頭痛発作が起きると、光や音が耐えられなくなり、暗いところへこもってしまう
典型的な「片頭痛」では、頭痛発作が始まる前に、目の前にキラキラとした花火のような光がみえたり、視界の一部がその光によって白く遮られたりするなどの前兆がみられる場合もあります。ただし、この前兆はすべての人に起こるわけではありません。
片頭痛は、こめかみから側頭部のあたりが脈打つように痛み始め、強い痛みが数時間から長くて3日くらい続き、自然に消えていきます。痛みが続いている間は、日常生活もままならなくなることがあります。
新しい片頭痛薬
国内で初となるCGRPを抑制するためにつくられた片頭痛薬です。CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチドという物質)は頭の硬膜や三叉神経にあり、片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因とされています。この薬は、CGRPの働きをブロックすることで、発作を減らし、また、発作を軽いものにすることが期待されています。
ただ、従来の薬と異なり、注射で皮下に薬剤を投与することになります。(1回/月)
使用には以下のような条件がありますので、患者さんの状況に応じて専門医が判断をいたします。
- 医師に片頭痛と診断されている
- 片頭痛が過去3か月の間で、平均して1か月に4日以上発生している
- 従来の片頭痛予防薬の効果が不十分、または内服の継続が困難である